設置をお勧めする事業所(施設)

110番非常通報装置の設置対象事業所(施設)は、銀行、郵便局、信用金庫、労働金庫、信用組合、農業協同組合、漁業協同組合などの金融機関や、学校、児童福祉施設その他の公共施設、重要防護対象又はこれらに準ずる施設で、設置要否判断は警察本部長が事業所(施設)ごとに行うこととされています。

現在、金融機関のほとんどに設置されていますが、金融機関以外では幼稚園・保育所・学校、障害者支援施設・高齢者施設、病院、高速道路料金所、鉄道駅、バス会社、市区役所等の官公署、電気・ガス・水道等のライフライン施設、博物館・美術館、ホテル等に設置されています。

金融機関

警察庁が示している金融機関の防犯基準では、金融機関は防犯設備として、110番非常通報装置のように警察の110番に直結する通報装置を設置することとされています。
 当協会では、今後も金融機関への設置を進め、定期的な訪問や講習会などを通じて強盗事件等の防止や発生時の被害拡大防止、各種防犯対策向上に向けた支援を行っています。

幼稚園・保育園・学校・障害者支援施設・高齢者施設

平成28年(2016年)7月に神奈川県相模原市の障害者支援施設で発生した殺人等事件により、防犯対策の重要性とその手段としての110番非常通報装置の有効性が改めて認識されるようになりました。これを機に、当協会では障害者支援施設のみならず、幼稚園・保育所・学校、高齢者施設等の社会的弱者関連施設における110番非常通報装置の普及を進めています。
 幼稚園・保育所・学校においては、男が子供を殺す目的で刃物を持ちこども園に侵入する、少年がナイフを持ち中学校に侵入し教員を切りつける等の事件が依然として発生しています。子どもの安全対策に対する関心は高く、これら施設における110番非常通報装置の設置数は年々増加しています。

グラフ:年度末別幼稚園・保育園・学校設置数

病院・官公署・鉄道駅

社会的弱者関連施設以外の公共的施設等においても、暴行事件が発生しているほか、無差別殺傷事件が病院や鉄道で敢行されています。
 これら不特定多数の人が集まる事業所(施設)にも110番非常通報装置の設置が望まれます。

設置している事業所(施設)の方からの声(感想)

【学校法人鋼鈑幼稚園 森 園長】

1 施設の紹介

鋼鈑(こうはん)幼稚園は、山口県東部、瀬戸内海に面した下松市の末武地区に位置し、園庭の東側には鯉が悠々と泳ぎ、初夏には蛍が飛び交う平田川、西側には蛙の声が賑やかな田圃もある自然豊かな環境にあります。現在3歳児から5歳児まで6クラスの園児が在籍し、12名の教職員から成る幼稚園です。

2 110番非常通報装置導入の経緯

子どもが被害者となる痛ましい事件が続く中、防犯対策の強化のため、令和2年4月、110番非常通報装置を導入することにしました。

本園が110番非常通報装置を導入した理由

① 通報ボタンを押すだけで警察と繋がる安心感
非常通報装置のボタンを押すだけで、自動的に警察と繋がり、パトカーが急行してくれます。

② 110番非常通報装置設置ステッカーの貼付
110番非常通報装置を導入した施設には日本防災通信協会が制作したステッカーを貼付します。このステッカー自体が不審者の侵入を未然に防ぐツールとなるのではないかと考えました。

③ 定期的な保守点検
非常の際に装置が正常に作動しなかったらと考えると不安になります。このシステムでは業者の方による定期的な点検が行われるとの説明を受け、安心して110番非常通報装置を導入することとしました。

3 設置後の感想

万が一の時、通報ボタンの押すことで警察と繋がるということが園児や教職員にとっては、一番安心できることです。また、園児を預ける保護者にとってもこの110番非常通報装置が安心・安全の一助になっています。

【幸紀会医療福祉グループ 特別養護老人ホーム燦燦 中島施設長】

1 施設の紹介

特別養護老人ホーム燦燦(さんさん)は、岐阜県岐阜市にある安江病院を中心とした幸紀会医療福祉グループの施設として2005年4月に開設されました。「尊厳とプライバシーを守ります」、「温かいふれあい、楽しい交流に努めます」、「地域や家庭との結びつきを大切にします」を理念におひとりおひとりに合った介護の提供に努めています。

2 110番非常通報装置導入の経緯

高齢者施設や障がい者施設といった福祉施設等で相次いで発生した凶悪事件を受け、防犯対策を見直していたところ、日防災の担当者の方から110番非常通報装置の説明を受けました。通報ボタンを押すことで警察本部と直結する通報システムは、入居者様や職員の安全を確保するため必要な装置であると考え、2019年11月、地域密着型介護老人福祉施設ばーむと併せて導入しました。

3 設置後の感想

職員はもちろん、施設で生活されている入居者様やそのご家族様にも安心していただけるきっかけとなりました。また、施設玄関にステッカーを貼ることで外部への防犯意識のアピールにもなっています。日防災の担当の方には「危険を感じたらためらわずに(非常通報装置のボタンを)押してください」と言って頂き、防犯の“お守り”となっています。
 万が一に備え、また、起きても安全に対処できるため、110番非常通報装置を導入して良かったと感じています。

【社会福祉法人睦福祉会 むつみ幼保連携型認定こども園 園長 味水 富夫】

1 施設の紹介

当園は、1953年4月にむつみ保育園として秋田県横手市に開園し、2020年4月からはむつみ幼保連携型認定こども園として現在に至っています。姉妹園であるむつみ乳児保育園も隣接しており、乳児(0歳)から小学校入学まで一貫した教育保育を行っています。

2 110番非常通報装置の設置と日防災の運用指導

当園では、子ども達と職員の安全と生命を守るため、110番非常通報装置を設置しましたが、園独自の防犯訓練は実施していたものの、実際に110番非常通報装置を活用した通報訓練を実施しておりませんでした。

今回、日本防災通信協会(日防災)の活動内容を知り、日防災による支援を受けることとし、同秋田県支部の支部長による職員に対する防犯講話、防犯マニュアル作成要領などの防犯対策の指導や地元警察署と合同の110番非常通報装置を活用した不審者対応訓練を初めて実施いたしました。今後もご支援を賜りながら実施していきたいと考えています。

3 不測の事態に備えて

過去には大阪の池田小学校での痛ましい事件があり、最近では宮城県のこども園で事件が発生しています。不測の事態が発生した場合、職員には犯人を取り押さえることよりも一刻も早く警察に通報し、警察官が駆けつけてくれるまでの時間を守るだけでよいと言っています。そのためには、平素から日防災の支援を受け、地元警察署と連携して110番非常通報装置を活用した訓練を繰り返し、子ども達の生命を守るとともに自らの生命を守らなければならないと思っています。

110番非常通報装置の設置に関するお問い合わせは日防災本部または都道府県支部にご連絡ください。

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