導入実績と活用事例

110番非常通報装置は金融機関を中心に導入が進められ、現在ではほとんどの金融機関で設置・活用されています。金融機関以外(幼稚園・保育所・学校、障害者支援施設・高齢者施設、病院、高速道路料金所、鉄道駅、バス会社、市区役所等の官公署、電気・ガス・水道等のライフライン施設、博物館・美術館、ホテル等)への導入も増えています。

特に平成28年(2016年)7月に発生した神奈川県相模原市の障害者支援施設における殺人等事件を契機に、防犯対策の重要性とその手段としての110番非常通報装置の有効性が改めて認識されるようになりました。これを機に、当協会では障害者支援施設のみならず、幼稚園・保育所・学校、高齢者施設等の社会的弱者関連施設における110番非常通報装置の普及を積極的に推進しており、事件以降、これら施設の新規の設置数は1,700台を超えています。

令和2年12月末現在、当協会が支援している施設の110番非常通報装置の設置台数は約35,100台です。うち、金融機関以外の施設の設置数は約6,000台で、全体の約17.2%になります。

グラフ:金融機関以外への設置数の割合

活用事例

事業所(施設)の110番非常通報装置が効果的に活用され、被害の拡大を防ぎ、犯人も早期に検挙された事例等を紹介します。

(金融機関)

事例1

 令和2年1月21日、(火)午後0時27分ころ、埼玉県下のM郵便局に犯人(77歳・無職の男)が客を装って侵入、窓口の女性局員に火炎瓶を示して「これは火炎瓶だ。金を出せ。」と脅した。同局員が直ちに110番通報ボタンを押下するとともに、局長が「お金はない。」などと言って時間かせぎをしている間に、非常通報で急行した警察官が犯人を局内で現行犯逮捕した。

事例2

 令和2年6月15日(月)午後3時49分ころ、神奈川県下のY郵便局に犯人(57歳・会社員の男)が客を装って侵入、女性局員に液体入りのガラス瓶2本が入った袋を見せて「混ぜると毒が出る」と言いながら、もう一つの袋に「金を入れろ」と脅した。局長が直ちに110番通報ボタンを押下し、現金110万円を袋に入れると、犯人はそれを奪って逃走した。局員2人が連呼しながら犯人を追跡し、約100メートル先でパトロール中の警察官が現行犯逮捕した。

事例3

 令和2年12月10日(木)午後1時36分ころ、熊本県下のM銀行K支店に犯人(68歳・無職の男)が客を装って侵入、窓口の女性行員にナイフを突きつけて「金を出せ。」と脅した。行員が直ちに110番通報ボタンを押下するとともに現金を準備している間に、非常通報で急行した警察官が犯人を店内で現行犯逮捕した。

日防災では、金融機関において、強盗事件以外でも身の危険を感じた場合には110番非常通報装置を活用するよう助言しています。日防災が支援している金融機関では、令和2年には、預金引き出し手続きに際し身分証の提示を求められたことに激昂して職員の胸ぐらを両手で掴むなどの暴行を加え現行犯逮捕された事件をはじめ20件の事案で110番非常通報装置が活用されました。

(金融機関以外)

事例1

 令和2年10月5日(月)午前11時27分ころ、広島県下のSこども園の正門付近で園内を見回すように徘徊していた50歳代の男を職員が不審に思い声をかけると、「園長と話がしたい」旨を答えた。対応した園長は男を不審者と認めるとともに危険性を感じ、職員に110番通報ボタンの押下を指示した。非常通報で急行した警察官が男から事情聴取した結果、事件性がないことが判明し、男を説諭処分とした。

事例2

 令和2年10月19日(月)午前4時20分ころ、兵庫県下のC病院に患者の付き添いとして来院した犯人(30歳代の男)が、突然看護師を蹴ったり、「面会カード回収ボックス」を投げつけて損壊させた。危険を感じた職員が110番通報ボタンを押下し、非常通報で急行した警察官が犯人を現行犯逮捕した。

事例3

 令和2年12月3日午後0時38分ころ、鳥取県下のK町役場に納税のため訪れた犯人(50歳代の男)が職員にボールペンと拡大鏡を投げつけた。危険を感じた課長の指示により職員が110番通報ボタンを押下した。非常通報で警察官が急行したが、犯人は既に立ち去っていた。その後、警察は犯人を割り出し、任意の出頭を求め事件処理した。

協会が支援している金融機関以外の施設等においては、これらの事例を含め、身の危険を感じた182件の事案(うち、現行犯逮捕した事件が16件)で110番非常通報装置が活用されています。

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